17の部会、600人以上の生産者を一つにまとめることは、並大抵のことではありませんでした。
栽培マニュアルの作成や出荷規格の統一は、そもそもの栽培技術が高くなければ成し得ることができないことです。
消費者の皆様に
「びほくのニューピオーネ」を
よりよく知っていただき、
イメージしてもらいやすくするために、
名前を付けました。
半世紀以上の産地の歴史と、
「匠の技」とも称される栽培技術を結集した
極上の「びほくのニューピオーネ」。
上位等級(赤秀)を「美王®」、
最上位クラス(特秀)を「美王®プレミアム」と
ブランド化して
売り出しています。
種のある「ピオーネ」を改良して種無しにしたぶどうです。ピオーネの大粒・爽やかな甘みの特徴はそのままに、種無しにより食べやすくなりました。
十分な甘みがありますがしつこくない甘さなので、男性・女性を問わず、お子様からご年配の方まで、幅広い層に好まれています。
当時のJAびほくでは、「ニューピオーネ」のさらなるブランド化と、消費者へ周知を図ろうと「びほくのニューピオーネ」のネーミングを決定し、2018年2月に商標を登録しました。
中山間地特有の昼夜の寒暖さで育まれる特長と、出荷時期に発生する天空の山城「備中松山城」の雲海にあやかり命名。びほくで栽培した農産物全般を地域ブランドとして「天空の実り®」、とりわけニューピオーネの上位等級(赤秀)を「美王®」、びほく管内の独自規格である最上位クラス(特秀)を「美王®プレミアム」としてブランド化しました。
「美王®」には、美しい房の形と、びほくエリアが全国トップのニューピオーネの産地であり、その中でも上位に君臨するもの、という意味を込めました。これは、台湾や香港などアジア圏への輸出も視野に入れたネーミングでもあり、輸出対応も強化していきます。
びほくエリアは、中国地方の東部に位置する岡山県にあり、高梁市・真庭市一部(旧北房町)・吉備中央町一部(旧賀陽町)で構成されたエリアです。夏は四国山地に、冬は中国山地によって季節風が抑えられ、年間を通じて天気や湿度が安定している瀬戸内地域にあって、温暖で比較的災害の少ない県です。その中でも県中西部にあるびほくエリアは、地震や風水害などの自然災害に見舞われることが少なく、安心して暮らせる地域です。さらに、日夜の寒暖差が大きいことから、ニューピオーネ栽培にはとても適した地域です。
赤銅色の石州瓦とベンガラ色の外観で統一された見事な町並みが整然と続く吹屋。この町並みこそ、江戸末期から明治にかけ、吹屋の長者達が後世に残した最大の文化遺産です。吹屋の特異な点は、個々の屋敷が豪華さを纏うのではなく、旦那衆が相談の上で石州(今の島根県)から宮大工の棟梁たちを招いて、町全体が統一されたコンセプトの下に建てられたという当時としては驚くべき先進的な思想にあります。昭和49年に岡山県のふるさと村に認定され、昭和52年には文化庁から国の重要伝統的建造物群保存地区の認定を受けました。
当時、以前からニューピオーネの栽培が盛んで、平成15年のJA合併によりJAびほくになった時には、ぶどう関連の部会が管内に8組織ありました。しかし、生産者個々の技術は高いのに、そのスケールメリットはまったく生かせていない状態でした。
「どこよりも高品質なぶどうを作る産地になる」を目標としていましたが、実現するためには大改革が必要でした。
市場からは、当時も高い評価をいただいていました。
しかし、部会ごとの出荷基準が異なっていたり、販売方法もそれぞれだったので、
「同じ規格なのに品質にバラつきがある」「まとまった量を確保したい」
という要望を受けていました。
要望に応えるためには、選果場の整備と
人の目に左右されない選果基準の平準化が必要不可欠でした。
当時のJAびほく管内には当初17の部会がありましたが、
平成15年にJAびほくになり、
市町村の合併もあり、
「1JAで1つの産地」を
目指すことになりました。
平成17年から管内全体の統合に向けた具体的な担当者会議、平成19年からは生産組織を交えた協議も重ねてきましたが、17の部会それぞれに歴史があり、栽培方法も販売方法も異なるため、なかなか前に進みませんでした。
しかし、粘り強く協議を重ねた結果、5年の歳月を費やし、平成22年に1次統合、平成25年に2次統合を果たし、8年の歳月をかけて部会の再編をすることができました。
色彩選別カメラで着色度合いを数値化
カメラで判定後、JA選果員が目視で病害虫などの有無を確認
従来は選果員による目視検査のみだったので、選果場ごとにバラつきがありました。
部会・JA、メーカーと共同開発した色彩選別カメラを導入した2大選果体制とすることで、選果のバラつきがなくなりました。
ニューピオーネ虎の巻
部会統合以前から、生産技術のバラつきが大きな課題となっていたので、大粒で着色のよい生産者の栽培技術をもとに、栽培技術を分かりやすく図説したニューピオーネ栽培マニュアルを県下で初めて作成し、部会員に配布しました。
ニューピオーネの外観のバラつきをなくすため、選果基準をイメージしやすいように独自に作成しました。これは県下統一の出荷規格表に採用されました。
小房でも少しでも高単価で販売するため、従来のパックから紙トレーにしたことで高級感が増し、他産地との差別化に成功。県下統一の出荷規格として採用されました。
17の部会、600人以上の生産者を一つにまとめることは、並大抵のことではありませんでした。
栽培マニュアルの作成や出荷規格の統一は、そもそもの栽培技術が高くなければ成し得ることができないことです。
また、最新設備の選果場2ヵ所をフル稼働させるためには、圧倒的なボリュームが必要です。
これらの困難を乗り越え、向上・拡大させることができたのは、一重に生産者たちの情熱、
「どこの産地よりもワンランク上でありたい」という強い思いでした。前述のような取り組みや
成果が評価され、
第47回日本農業賞集団組織の部「大賞」
という大変栄誉ある賞を
いただくことができました。
表彰式は2018年3月10日、
東京都渋谷区のNHKホールで
開かれました。
表彰式(下段右から4番目:中山部会長、上段右から4番目:平山組合長)
司会のNHK塚原愛アナウンサーからインタビューを受ける中山部会長
谷合農林水産副大臣から表彰を受ける中山部会長(手前)と平山組合長
日本農業賞は、JA全中=全国農業協同組合中央会、JA都道府県中央会とNHKが主催して、日本農業の確立を目指し、意欲的に経営や技術の改革と発展に取り組み、地域社会の発展に貢献している農業者と営農集団を表彰しています。
また、食と農との距離を縮める個人や集団組織の取り組みを「食の架け橋の部」として表彰しています。
びほくのニューピオーネは、
お子様からお年寄りまで、
男性・女性を問わず、
幅広い層に好まれています。
ご自身でいただくのも良いですし、
ご贈答の品としても自信を持って
お勧めできます。
これまでにニューピオーネに関する
キャンペーンを行い、
その時にいただいたご意見・ご感想の
一部をご覧ください。
生産者たちの情熱の詰まった
びほくのニューピオーネを、
ぜひご賞味ください。